みち
Friday March 23rd 2007, 12:32 pm
Filed under:
日本語,
Life



この路はいつか来た路… と、感じることがたまにあるが、見知らぬ土地でおきる既視感(déjà vu)というのは、旅を思い出深いものにしてくれる。特徴のないただの一本道が、様々な感情や感覚を呼び起すというのも不思議な感じがする。路というのは、人間固有のものではなく、むしろどちらかと言えば動物的な感じがしないだろうか。この地表に描かれた何の変哲もない線に、妙に生々しい匂いと触覚を感じるのは、人間に僅かに残された野性のなせる技なのかもしれない。真夏の午後の土埃と草いきれ、運動靴の底の、じゃりっ、じゃりっという、足の向きが正確に定まらない少し不安な感覚…
ダイナマイト サーフィン
Sunday March 11th 2007, 9:04 pm
Filed under:
日本語,
Misc.
何も申し上げる事がございません、ハイ。
2007
Wednesday January 03rd 2007, 4:41 pm
Filed under:
日本語,
Misc.
Happy New Year!
新年おめでとうございます!
厚顔無恥
Friday December 22nd 2006, 10:33 pm
Filed under:
Perfume,
日本語
来年発表される予定の、世界的なイタリア人ファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニの新しいメンズフレグランスは、広告用の写真と香水の名前が(アティテュードと言うそうな)ほぼ決まっているにもかかわらず、肝心の中身となる香りを、どの香料会社(フェルメニッヒ、ジボダンなど)が製造するのかが決まっていない。それというのも、「硬派の男」を彷彿とさせる香りというコンセプトは明確にあるのだが、それがどんな香りなのかということを決める段階になり、ジョルジオ・アルマーニ・パルファムスを所有するパリのロレアル社と、ジョルジオ・アルマーニ自身との間での意見がまとまらないからだ。
ひとつのコンセプトから、それに合った香りを創り上げていく過程が容易でないことは、香水が誕生するまでの過程に馴染みがない者にも、ある程度の察しはつくことだろう。香りを創るという作業は、個人の記憶ということと密接な関係を持つ嗅覚が判断を下していく作業であるが故、プロジェクトに関わっている人々の意見が、あちらこちらで衝突するのは、極当たり前のことだ。
ところが、今回のジョルジオ・アルマーニの新しい香水制作の展開は、いつもと少々様子が違う。それは、プロジェクトが一歩前進をしたかと思う度に、「緊急事態」という言葉が飛び交うからも分かる。その原因というのは、様々なディシジョンメーキングが、ジョルジオ・アルマーニの新しいボーイフレンドの御機嫌に左右されているからだ。その徹底した完璧主義から、ファッションの帝王として恐れられているジョルジオ・アルマーニも、このモーリスという二十歳のベトナム人の恋人には滅法弱いらしい。モーリスが、「僕、こんな香水を付ける気がしないよ。」と言ってしまえば、たとえジョルジオ・アルマーニ自身が気に入った、フェルメニッヒ社の天才調香師アニック・メナルドの手になる試作でさえも、あっさりと没になってしまう。
そういうことから、このプロジェクトを実質上管理しているロレアル社は、モーリスが頼まれてもいない口出しをする度に、幾人もの優秀な香水創りのエキスパートをニューヨークからパリ、パリからミラノ、そしてミラノからニューヨークという具合に移動させなくてはならない状態が続いている。
恋は盲目とはよく言ったものだが、これはどう考えても帝王の厚顔無恥としか言いようがない。
クリストフ君、おめでとう!
Monday September 25th 2006, 11:03 am
Filed under:
Perfume,
日本語
数年前、パトリック・ジュースキントの小説「香水 - ある人殺しの物語」の映画化が発表された時、香水を手掛けている大手化粧品会社は、こぞって映画に便乗した新しい香水の企画話を映画製作陣に持ち掛けたが、どの企画もトム・ティクヴァ監督ににべもなく断られた。
ところがつい先頃、ティクヴァ監督の出身地ドイツにて、映画「パフューム - ある人殺しの物語」が先行公開されると、ティエリー・ミュグレー/ル・パルファム・コフレなる、豪華な香水のセットが映画と合わせて発表された。このコフレの登場は、欧米の香水ファン間で大きな話題を呼ぶと同時に、クリストフ・ロダミエルというIFF社の(米国最大の香料会社)若手調香師の存在を一躍世に知らしめた。というのも実はこのコフレが、ティエリー ミュグレー パルファムスの発案によって誕生したのものではなく、クリストフ・ロダミエルがパトリック・ジュースキントの小説に取り憑かれる様にして、6年の間にこつこつと創ってきた香りのコレクションだったからだ。つまりこの映画が作られたおかげで、ロダミエル作の「香水 - ある人殺しの物語」のストーリにまつわる香り達が、まさに期を熟して日の目を見るかたちなったわけだ。
ジュースキントの小説の映画化が発表されると、クリストフ・ロダミエルは、真っ先にティエリー・ミュグレー パルファムスの社長、ヴェラ・ストゥルビ女史と会うことにした。時流やマーケティング ストラテジーに決して惑わされることなく、革新的な傑作を創ることで世界的に評価の高いストゥルビ女史は、ロダミエルの抱えてきたいくつもの香りを全て嗅ぎ終わると、即座に彼のアイデアを具体化することに全面的な協力をすること決めた。ミュグレー社のバックアップを取り付けたロダミエルは、彼の恋人であるドイツ人のクリストフ・ホーネッツの助けを得て、トム・ティクヴァ監督に香水の企画をドイツ語でプレゼンしたところ、今まで全ての映画関連商品の企画を断ってきたティクヴァ監督から、賞賛を受けるという幸運に恵まれて、この企画が実現することになった。
僕が初めてロダミエルと出会ったのは、3、4年前のことになるが、当時彼が夜遅くまでIFFの研究室に籠って、自分個人のプロジェクトに没頭していた頃のことを思い出す。海のものとも山のものともつかない様々なアイデアを、何時間にも渡り熱っぽく語ってくれたが、その中の一つがこうして作品として世に発表されるのを見るのは、友人として誇らしい気持ちだ。