70年代の後半から80年代の前半の学生時代に、通り道だったという便利さから、よく芸大の仲間達と有楽町で飯を喰ったり、飲みに行ったりしたものです。当時の六本木とは違った、どこかリラックスした雰囲気が好きでした。さぁ、今夜はナンパしまくるぞぉ、という意気込みではなく、一日の疲れを癒すような気分で立ち寄るのに都合の良い場所だったのでしょう。

最後に有楽町の駅を使ったのはどのぐらい前だったかはもう覚えていませんが、多分20年近く前のことでしょう。この写真には、私が見たことのない新幹線のような電車が走っていますが、その流線形とガード下の焼き鳥屋が立ち並ぶ風景が美しいものに見えてなりません。列車の車輪と線路の擦れる金属臭/焼き鳥/煙草の匂い達が織りなすハーモニーというのが懐かしくなります。

作家のChandler Burr/チャンドラー・バールが、「通りに漂よってくるうどんの香りが、たまらなく懐かしい」というメールを送ってきた事を思い出しまが(彼は日本に住んでいた事があるそうです)、日本でしか経験のできない香り/匂いというものを、調香師だけではなく香水業界のもっと多くの人々に知ってもらいたいと常々思っています。

Written by:

A sculptor living in New York

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