アトリエ・コロン:蓋を開けてびっくり
2年前に、多分日本でも馴染みのあるアトリエ・コロンというニッチフレグランスのブランドを、世界最大の化粧品会社ロレアルが買収しました。買収価格などは非公開のため、この先の話はあくまでも噂ということで‥
関係筋からの話によると、大雑把な買収価格は日本円にして30億円だったそうです。買収した時点でロレアルは知らなかった事だというのですが、蓋を開けてみたらアトリエ・コロンが日本円にして40億円に近い借金を抱えていたそうです。そんな馬鹿な話があるのでしょうか‥ つまりロレアルは、結果70億という買い物をしてしまったという事になります。下調べとか調査という名目で決裁に異常なほどの時間を費やす日本の企業では起こり得ない事でしょう。アトリエ・コロンが、私の知り合いの経営するコンサルティング会社のクライアントだったという事を最近偶然に知りましたので、この話を持ち出したところ、アトリエ・コロンのブランドとしての将来的な価値を考えれば、ロレアルのような大企業にとっては40億程度の借金などは痛くも痒くもないのだということでした。40億の借金も上手に「将来性」というオーラで飾れば、大企業が借金も含め全てを30億で買い取ってくれる可能性があるというふうに理解してしまったら失礼でしょうかねぇ?
この話をここで終わりにすると余りにも無責任なので、アトリエ・コロンについてもう少し。アトリエ・コロンの創設者の一人クリストフ・セルヴァセルさんは、もともと香水の流通でかなり活躍されていた方です。アトリエ・コロンを創立する直前までは、私の友人の所有していたパリのワンベッドルームのアパートを借りていたので、お金持ちではないごく普通の方だったのだと思います。何十億という額を出資した人々がいたという事は、それだけ信頼と期待が出来る方だったということでしょう。
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